ドキドキ通信


 倖はここに
 オイラは眠れない夜、ラジオを聴く。特に気に入っているのは某国営放送の「ラジオ深夜便」だ。先日も午前2時頃、目が覚めてラジオをつけた。同番組は2時代は洋楽、同3時になると邦楽を流している。
 その日の邦楽は、大橋節夫特集だった。若い読者には分からないと思うが、同人は戦後の日本のハワイアンバンドをリードした人だ。現在は残念ながら物故してしまったがあの甘いボイスは一時代を凌駕した。ええとこのボンボンだった同人は大学在学中に音楽に目覚めた時、両親はならばと練習場所に家を一軒、お建ててやっという話もあるくらいお坊ちゃまだった。
 才能と恵まれた環境から音楽的才能はますます磨きがかかり作詞、作曲に天賦の才を発揮した。今の時期オイラが一番好きなのは、モチロン同人が作詞、作曲した「倖はここに」だ。スチールギターの音色に乗って「秋の夜は更けて すだく虫の音に」と始まる。そして最後は「静かにほのぼのと倖はここに」と結ぶ。同曲はその後、石原裕次郎五木ひろしが歌っている。
 現代を生きる我々は、きつと何かの悩みをかかえているハズだ。不況から経済的に悩んでいる人、恋人ととの交際、会社での対人関係と人さまざまだと思う。オイラのようなバツ1でおまけに低所得者の人間も本当に「死にたい」と思うことが時々襲ってくる。でもそんな時この曲を聴くと「アナタは贅沢だ。生きているだけで幸せと思いなさい。人間、悪いことばかりはなく、朝の来ない夜はないですよ」と教えてくれる。今、悩んでいる人、死にたいと思っている人。この世に生を受けてここまで育った我々はきっと何かしら世の中のために自分しかできない為すべき事があるから生かされているのかも知れません。「倖はここに」を聴くことをオススメします。