ながおかドキドキ通信

 火焔土器は語る・・・
 馬高縄文館(長岡市)がオープン!

(関原町の丘陵地にオープンした馬高縄文館)
 かつて新潟県内には、国宝と呼ばれるお宝はなかった。国宝と称して堂々と参拝客を集めた寺があった。中越地震で同寺はその維持に難儀していると聞いている。
 90年代梅棹忠夫氏(京大名誉教授)が新潟県内には国宝が一つもない。国宝に値するのは縄文時代の「火焔土器」だと何かの雑誌で発表したことがあった。それを機に十日町市では笹山遺跡から出土した同土器を国宝に指定してもらいたくて猛烈に運動を起こし99年国宝に指定された。
 火焔土器とは「縄文式土器」の一種で火がメラメラと燃え上がる様を模して現代人が付けた名だという。9月18日にオープンした「馬高縄文館-火焔土器ミュージアム」=長岡市関原町1丁目=は小さいながらもコーナーをさりげなく4箇所に分け現代人に約5000年前の縄文人の豊かだったろうと思われる暮らしぶりが見る人に伝わってくる。
 かつて「原始、女性は太陽だった」という文化人がいた。火焔土器の下部がくびれて土器の中から炎が燃えさかるであろうことを想像すると、もしかしたら縄文時代は女性がリーダーを司どっていたのではないだろうかとさえ思ってしまうほどの美しさだ。
 それにしても出土を確認。同地を所有していた近藤篤三郎氏、さらには同土器を火焔土器と名づけられるまでに研究した中村孝三郎氏のご努力には想像を絶するものがあっただろうと推察される。
 時代は移り今年は2巡目の「トキめき新潟国体」が今、県内各地で開催されている。45年前、1巡目の新潟国体の会場となった新潟市陸上競技場(当時は県営陸上競技場)の炬火台になっているのも火焔式土器。そして新潟市昭和大橋の橋のたもとにも同土器がさん然と輝いている。
 もしかしたら5000年前の新潟県人は土器の模様から見てとれるセンスの良さと海と山に囲まれた自然の恵みを受けて相当、豊かな生活をしていたのかもしれない・・・。

(30種類もある火焔土器に見入る観覧者)
 【問い合わせ】同館。開館は午前9時から午後5時(入館は午後午後4時半)入館料は200円<、高校生以下無料(20人以上の団体割引は150円)。℡0258(46)0601。