ながおかドキドキ通信


 最優秀賞は今津さん(山口)が受賞
第16回矢澤宰賞表彰式

(最優秀賞を受賞した「冬景色」を朗読する今津さん)
見附市が生んだ夭折の詩人、矢澤宰を偲び、全国から公募した詩の優秀作品を表彰する「矢澤宰生命の詩の集い」が今年も25日、見附市文化ホールアルカディアで行われ約500人が宰ワールドに酔いしれた。
 16回目の同集いは今年から開催時期を変更した。このためか応募作品も例年からはやや減少したが、相変わらずの力作、573編が寄せられた。
 親しい人、好きな人との出会いと別れを「冬景色」と綴った今津翼さん(山口県立山口総合支援学校高等部3年)が今年の矢澤宰賞の最優秀賞に選ばれた。
 ユーミンを連想させる軽いタッチの詩の中に可憐な乙女心を綴った冬景色。今津さんは「ペンを持って10分位で完成しました」とほとばしる詩作の才能を披露した。「私の病気は心の病」という今津さんだが約500人の聴衆を前に自らの作品を朗読した姿には、惜しみない拍手がおくられていた。

 冬景色  今津 翼作
 白い息が そっとこぼれる
 ひんやりとした雪が 頬をぬらした

 ぎゅっと握った手はあたたかくて
 はなしてしまうのは惜しかった
 
 何とも思われていないこと
 私は知っている

 だけどこの想いだけで
 私は冬を乗り越えられる強さを得たよ

 一緒に歩く帰り道
 あのひとは嬉しそうに夢を語っていた

 いつかどこかに行ってしまう
 雪みたいな気がするのはどうしてだろう

 傍にいられるだけで 嬉しすぎて
 忘れているのかもしれない

 人は出会い別れてゆく
 まるで空から降る雪と それを吸収する
 大地みたいに
 
 胸がキュッと苦しくなる
 どうか傍からはなれないで

 握った手のあたたかさも
 日だまりのような笑顔も

 忘れたくない

 忘れないようにしよう
 四季の巡りも
 今 私の傍を歩くこのひとのぬくもりも

 この冬景色も
 私の倖せも 全て

 私は忘れないようにしょう