ながおかドキドキ通信


小説「光る砂漠」−夭折の詩人矢澤宰の生涯ー
        見附中学3年22Hの放課後の掃除
 放課後の掃除。3年22Hは体育館の半分が掃除の割り当て。ゆきは雑巾を松本は箒を手に掃除の終えた体育館の隅で話し合っている。
 「今日のホームルームでオレが言ったこといかったろう」と松本はゆきに向かって誇らしげに話す。「いいんだけどさ、松本君の話、いつも野球や甲子園の話が先で肝心の高校受験の話がないんだもん」というゆき。「そうだな。よう考えると甲子園へ出るには高校へ入らんば甲子園に出らんねえんだよな・・・。そんだろもゆき、お前はどうするがあや」という松本。「私んち、とうちゃんが病気だろう。家もあんまり金がないし妹も来年、受験なんで私、高校へ行くの止めて三條の結核病院にある準看護学校へ行こうかと思ってるの。あすこなら働きながら資格がとれるしね・・・」というゆき。「「大変らな。いつもクラスで一番で長岡高校へも行けるぐれえ成績がいいのにな。でも看護婦になれるんだから頑張れや」と松本はゆきを励ました。「ありがとね。松本君も高校へ入ってレギュラーになって絶対、甲子園へ行ってね。そん時には私、応援へゆくからね」とゆきは楽しそうに話した。
 「正月に悠久山の蒼柴神社にかあちゃんと妹と初詣に行くが。そん時、松本君の合格のお守りもらって来てくれるからね」というゆき。「ホントか。頼むよ」とゆきの話に目を輝かす松本だった。
 将来の夢を楽しそうに語り合うゆきと松本。話終えると再び掃除の終えたクラスの輪に入って行く二人だった。
【続く】

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