ながおかドキドキ通信


 小説「光る砂漠」−夭折の詩人矢澤宰の生涯ー
     三條結核病院小児病棟の大部屋
 宰がこれから入院生活を送る大部屋の病室に入って行く。部屋の6人とは養護学校で顔なじみだが、うれしさがこみあげてひょうきんな表情の宰だった。「皆さんごめんください。今日からここで暮すことになった矢澤宰です。よろしくお願いします」とあらたまってあいさつする宰。
 ベッドで寝ながら漫画本を見ていた養護学校の下級生の少年A「ベットが一つ空いたので誰か新しい人が来るのだろうと思っていたんだろも、やっぱり矢澤君だったんだ」とうれしそうに話す。「そいがあて。寝たきりだったろもようやく皆と生活できるようになったんだて」と宰の口調も軽い。「じゃあ゛、引越ししねえばねえね」といって少年Aは素早くベットから降りる。「今、ゆきさんから引越しの荷物をまとめてもらっているがあ」と宰。「じゃあオレも手伝うこて」と少年A。それにつられて他の4人の入院患者もゾロゾロと引越しの手伝いに大部屋から出て行く。

   宰の個室の病室から大部屋への引越し
 ゆきが大部屋の4人の入院している子どもらを指示しながら台車に宰の荷物を載せて引越しをしている。子どもらの表情もいきいきとして楽しそう。台車の荷物は宰がこれまで読んだ本が山のように積まれている。
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